懐石「吟」
菊乃井からのれんを分けてもらうお店は少ないそうです
信州は中野にそのうちの1軒があると聞き
善光寺参りのついでに寄りました
ついでに寄るというより、目指していった感じですが・・・
山の中腹にそのお店はありました
周りは民家と畑とすぐそこに山が迫っている立地
ですが、満席でした
地域の皆さんが親戚を連れて、法事に・・・そんな感じでした
眼光鋭い大将と、初々しい男の子たち
キビキビした女将さんとで切り盛りされていました
お料理の写真良いですか?と伺うと
「料理は良いけど、私を撮るときはマネージャーを通して」なんて冗談も
もずく酢とはもの皮
先付けの盛り合わせ
小鉢に入った粕漬けが雷漬けというそうで
青瓜をらせんにむいて漬けた物
青瓜は奈良漬けでしか食べたことがありませんでしたが
浅漬けの青瓜は歯ごたえがしっかりしていて
食べるときにばりばり音がするので雷漬けというそうで
粕のあんばいもちょうど良くて
しっかりした歯ごたえの自家製の厚揚げとぴったりです
小さな小鉢に施された仕事に感心しました
お造りはこの地域ではかなり精一杯のものです
このしめ鯖が脂ものっていて
〆加減も絶妙でとっても美味しかったです
あしらいに木の実の戻した物が沿えてあって
昔の人は食中毒の予防にこのような物を一緒に頂いたそうです
大根のつまや、わさびなんかも同じ目的で添えられた物
先人の知恵に思いをはせながら頂きました
このお椀に主人がやられていました
丸茄子の冷たいお椀、焼きはもを沿えて
北信の方では茄子といえば丸茄子
それをお出汁で煮て鍋ごと冷やし
吸い地も冷たくして提供されます
この一杯のためにもう一度行っても良い!!
かものソテー
醤油ベースのソースが美味しかったです
フランス産の鴨だそうで、
フレンチのシェフから美味しい鴨の仕入れを教えてもらったとのことでした
狭い地域、持ちつ持たれつと仰っていました
でも実は私たち、奥で焼いていた鮎も気がかりでした
でもそちらは別のコースのメニューだったようです
ご飯は土鍋で一組ごとに炊かれたもの
本日ははものご飯でした
一緒に出てきた汁物が赤だしでした
赤だしの具に入っていた夕顔豆腐がまた手が込んでいて
もちっとして美味しい
水物は・・・水でした(笑)
水のゼリー
最近はやってきていますがこちらでは10年前から出ているそうです
お店の先の山の中に湧き水があって
それでお出しをひくので汲みに行くのですが
そのときにこの水を固めてはと思ったそうです
「水なんか出してすみません・・・」と笑って仰いますが
絶妙な砂糖の加減
黒蜜では蜜の味になってしまいますからと
番茶を煮詰めて作った番茶糖
水の味を壊さない堅さとのど越し
ものすごく研究され尽くした一品です
この店に来て良かったと思いました
浜松からではとっても遠いのですが
もし信州にいらっしゃることがあれば
お出かけしてみて下さい
頂いたのは一番高いコース5775円でした
懐石「吟」
中野市間山998-8
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